研究会・研究発表の記録(2012年4月~2013年3月)
- [企画][メディアと情報/社会の再編/記憶と忘却]
- 日時:2012年12月22日
- 会場:キャンパスプラザ京都2Fホール
- 趣旨:大きな災厄は社会に深刻な亀裂をもたらす。物質的な復興を遂げ、日常生活を取り戻したのちも、社会に撃ち込まれた深い亀裂が修復されるまでには長い長い時間がかかる。私たちはこの亀裂にどう向き合い、どうつなぎなおすのか。
東ティモール紛争終結とバリ島爆弾テロ事件から10年を経たインドネシアや、ユダヤ人迫害から70年たったドイツで、身近な人々が同じ社会に暮らす人々によって傷つけられる経験をした人々による今なお続く社会の亀裂を修復する営みを参照しながら、東日本大震災後の人々の反応を描いた作品『おだやかな日常』を手がかりに、東日本大震災後の世界に生きる私たちの今とこれからを考える。
- プログラム:
特別ゲスト 杉野希妃(プロデューサー/女優)、深田晃司(映画監督)
挨拶 林行夫(京都大学地域研究統合情報センター)
趣旨説明 山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
パネリスト
亀山恵理子(奈良県立大学)「東ティモール独立から10 年―紛争はどのように語り継がれるのか」
西芳実(京都大学地域研究統合情報センター)「語りえぬ痛みを分かち合う―バリ島爆弾テロ事件とインドネシア」
寺田匡宏(総合地球環境学研究所)「災厄の「見えにくさ」と距離 アウシュヴィッツ-ベルリン/フクシマ-東京」
- 主催:京都大学地域研究統合情報センター
- 共催:マレーシア映画文化研究会
- [企画][メディアと情報/社会の再編]
- 日時:2012年10月21~23日
- 会場:アチェ州知事公邸大会議室(インドネシア)
- 趣旨:2004年スマトラ沖地震・津波の最大の被災地となったインドネシア・アチェ州で、シアクアラ大学医学部の学生・教員ならびにバンダアチェ市周辺の医療関係者を対象に国際シンポジウム・ワークショップを開催します。被災から8年目を迎えたアチェ州では、世代を越えて強くしなやかな社会をどのようにつくっていくかが課題となっています。防災の観点からだけでなく、医療、観光、コミュニティ開発、地域情報資源の活用といった幅広い観点から中長期的な復興について考えます。
- プログラム:
第一セッション
Dr. Fachrul Jamal, Sp. An (Chief of IDI, Aceh province インドネシア医師連盟アチェ州支部支部長)
Dr. Taufik Mahdi, Sp. OG (Director of RSUDZA Banda Aceh アチェ州立ザイナル・アビディン病院院長)
Prof. Dr. Jasman J Ma’ruf (Head of Department of Tourism アチェ州観光局局長)
第二セッション
Prof. Dr. Hara Shoichiro (Vice Director of CIAS, Kyoto University 京都大学地域研究統合情報センター副センター長)
Dr. Yanagisawa Masahiro (CIAS, Kyoto University 京都大学地域研究統合情報センター)
Dr. Hoshikawa Keisuke (CIAS, Kyoto Univeristy 京都大学地域研究統合情報センター)
ワークショップ
Dr. Muhammad Dirhamsyah (Director of TDMRC, Syiah Kuala University シアクアラ大学津波防災研究センターセンター長)
Sumarjanto, S. T. (Bandung Institute of Technology バンドン工科大学)
- 主催:
Faculty of Medicine, Syiah Kuala University シアクアラ大学医学部
Tsunami and Disaster Mitigation Research Center (TDMRC), Syiah Kuala University シアクアラ大学津波防災研究センター
Center for Integrated Area Studies (CIAS), Kyoto University 京都大学地域研究統合情報センター
- 共催:
科研費補助金(基盤A)「地域保健活動を指標とした『地域の知』の計量的分析手法の開発―東北タイを事例に―」(代表:原正一郎)
科研費補助金(基盤B)「アジア農業金融研究のパラダイム転換に向けて―農村社会構造に着目した比較地域分析―」(代表:藤田幸一)
- [企画][メディアと情報/社会の再編]
- 日時:2012年7月2日
- 会場:京都大学稲盛財団記念館
- 主催:「災害対応の地域研究」プロジェクト
- プログラム:
開会挨拶 林行夫(京大地域研)
趣旨説明 山本博之(京大地域研)
セッション1
報告1 Sri Adelila Sari(シアクアラ大学大学院防災学専攻)
報告2 原正一郎(京大地域研)
セッション2
報告3 Imam Munandar(シアクアラ大学津波防災研究センター)
報告4 星川圭介(京大地域研)
セッション3
報告5 Firna Salia(シアクアラ大学津波防災研究センター)
報告6 村上勇介(京大地域研)
討論
コメント1 林行夫(京大地域研)
コメント2 谷川竜一(京大地域研)
総合討論
- [企画][メディアと情報/支援と復興]
- 日時:2012年5月12日
- 会場:京都大学稲盛財団記念館
- 主催:東南アジア学会関西例会
- 共催:「災害対応の地域研究」プロジェクト/地域研究コンソーシアム社会連携部会
- 趣旨:災害とそれへの対応は、その地域社会のかたちを浮き彫りにする。災害は、その地域社会が被災前から抱えていた潜在的な課題を明らかにする。また、災害への 対応には、危機や困難をどのように受け止め、どのように対応するかというそれぞれの社会に固有の姿があらわれる。基本的に平常時の状況をもとに研究してい る地域研究者にとっては、災害時にあらわれる姿から地域のかたちをどのように捉えるかは知的な挑戦でもある。
2011年のタイ洪水は、流出した水量や被災者数、経済的損失額などの点でタイ国でも最大規模の災害だったといわれるだけでなく、日本企業が進出する工業 団地が広範囲に浸水したことが大きく報じられ、日本でも多くの人々の関心を集めた。他方で、タイではチャオプラヤ川の氾濫による大規模な洪水はこれまでに 何度も発生しており、バンコクもたびたび冠水した経験がある。大洪水に遭っても避難せず、冠水した市街地にとどまって日常生活を送っているバンコク市内の 人々の姿は、タイの人々が古くから洪水と共存してきた様子を印象付けた。
本ワークショップでは、まず3つのセッションにより、水管理やバンコクの洪水対策史における位置づけ、バンコク居住者の生活への影響、タイ政府の対応など の観点から2011年のタイ洪水の諸相を検討する。総合討論では、タイ社会や災害を直接の専門としない研究者を交えて、それぞれの専門の立場から、 2011年のタイ洪水を切り口に、タイの災害対応にあらわれるタイ社会のかたちについて考えたい。
- 趣旨説明
- 第1セッション
報告1「工学的見地から考察する2011年洪水と政府対応」星川圭介(京都大学地域研究統合情報センター)
報告2「土盛りと高床式住宅―バンコクの伝統的な洪水対策とその限界」岩城考信(法政大学デザイン工学部・教育技術員/慶應義塾大学・非常勤講師)
コメント 柳澤雅之(京都大学地域研究統合情報センター)
- 第2セッション
報告1「残留か帰国か―2011年大洪水が外国人労働者に与えた影響」竹口美久(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・博士課程)
コメント 西芳実(京都大学地域研究統合情報センター)
- 第3セッション
報告1「2011年洪水とタイ政治」玉田芳史(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
報告2「大洪水下のタイ政治」水上祐二(チェンマイ大学)
コメント 林行夫(京都大学地域研究統合情報センター)
- 総合討論
討論者
河野泰之(京都大学東南アジア研究所)
弘末雅士(立教大学)
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
速水洋子(京都大学東南アジア研究所)